2017.05.18
「ストレスだらけじゃやってらんねぇ」。義務と責任で溢れるこの世の中にメスを入れるかの様な、ストレートな言い回し。デビューしてわずか一年にして日本の音楽シーンに旋風を巻き起こすジャンルレスなバンド「Nulbarich」が楽曲中で放つ一節だ。媚びず驕らず、変化を恐れない。直接的で鋭く、だけどどこか優しい等身大の彼らが思うこととは。ボーカル、JQに聞いた。
「日常の喧騒から離れて、仲間とともにかけがえのない時間を過ごす場所を提供する」というのがCoronaのコンセプトで、今回リリースする1st EP『Who We Are』のメッセージが「リアルな日常のジレンマから抜け出して、たまには好き勝手やって一服しよう」。まるでコンセプトを合わせて作ったかのようですよね(笑)。都会に住んでいるとやっぱりみんな忙しそうで、友達といるのにずっとスマホをいじってたり。仲間と触れ合ってイエーイみたいな、自分を解放するシチュエーションがあってもいいんじゃないかな、と。もっともっと自分の時間や好きなことを楽しめたらいいよな、という気持ちを込めて作りました。
4歳から7歳までピアノを習って、小学校でマーチングバンドに入り、中学からバンドを組みました。なので、常に音楽が日常生活の中にあったんですよね。意思を貫くというより気付いたら音楽が特技になって、理想の形をアーティストとして表現できるまでやり続けたい、と思ったのがきっかけです。「よっしゃ、この道でやっていこう」と思ったのは、ナルバリッチを始めてからです。
今回のEPで、マスタリングエンジニアのレジェンド、トム・コイン(※1)と制作ができたんです。残念ながら亡くなってしまったので最初で最後の作品になってしまったんですが。僕にとって、このEPは忘れられないものになりそうです。まさかデビューして一年足らずのバンドのオファーを受けてくれるとは思わなかったんですが、嬉しい予想外でした。
僕のブラックミュージックとの出会いはThe Fugees(※2)で、いわゆる90年代以降のニュースクールと言われるヒップホップがかかっているクラブに好んで行くことが多かったんです。2000年以降の新譜系じゃなくジャジーヒップホップが好きで、オルガンバー(※3)でよくチルしてました。バンドの特徴の一つでもある英語ですが、実は海外に住んでいたことはなくて、音楽を通して出会った友達とコミュニケーションを取る中で学んだんですよ。
一回、放り投げます(笑)。アイデアが出てくるまで待つ、というか。また思いつくまで忘れる。周りのスタッフが「これやったの!?」とオカンみたいに気に掛けてくれるおかげで今のところ無事でいれてますね。
僕自身は「よし、休もう」と思わないと気が抜けないタイプ。忙しくなればなるほど本気で遊ばないと、休むタイミングを逃してしまう。良いバランスを保つには、休みを取ることが本当大切だな、と。コロナフェスみたいに「はい、みんなで遊びましょう、ここが休む場所ですよ」という機会はとってもいいですよね。
ある程度の括りがある方が僕、自由だと思うんですよね。みんな「自由になりたい」とかって言うじゃないですか。でも境界線という窮屈さがなければ全部自分の事を決めて、縛って、矯正していかないといけない。括りがある上でご自由にドウゾと言われる方が、遊びの部分を探せます。与えられたTO DO LISTを、他人に迷惑かけずにどうやってクリアするかが、楽しいんです。
みんなでワイワイ飲むのがいいですよね。お酒も大好きなので、コロナフェスのLIVE終わりの乾杯が今から楽しみです。みんなの一服になる音楽を届けられるように頑張ります!
photo:Fumihiko Ikemoto
text:Yoko Onishi
アーティスト
突如シーンに登場した謎多きバンド。ソウル、アシッド・ジャズなどをマナーに唯一無二のグルーヴを奏でるポップ・ロック・バンド”グルーヴィスタ”ナルバリッチのボーカル兼シンガーソングライター。2017年5月24日(水)リリースの『Who We Are』を引っ提げて、今年のコロナサンセットフェスに登場。
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2017.12.22
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2017.10.31
Corona CONNECTIONS vol.05 : ディレクター 福山 正和
群馬に移住を決めた理由とは? また、渓流フィッシングを通して、その刺激的な生き様を語ってもらった。
2017.07.26
Corona CONNECTIONS vol.04 : ディレクター 宮原 秀雄
よく働き、働いた分以上によく遊ぶ。そんなスタイルを貫く一人の男の存在を聞きつけ、宮崎県・青島に会いに行った。