CORONA

2017.06.28

Corona CONNECTIONS vol.03 : ヘアカッター 軽部 京介

今回フォーカスするのは、来たる7月8日(土)9日(日)コロナフェスのワークショップでも青空カットをしてくれる「HAIR CALIFORNIA」のオーナー兼ヘアカッターの軽部京介さんだ。ソフトな口調と裏腹に、好きなことはやる、嫌なことはやらないという潔さも兼ね備える。既存の型にハマることなく、飽くなき理想を次々に具現化する”現在進行形”の彼に話を聞いた。

ー どんなきっかけで美容師に?

中学生位から身なりを気にするようになって美容室に通い始めたんですけど、当時、自分の求めるスタイルと雰囲気にビシッとハマるサロンがなくて。その頃から漠然と、いつか自分が求める「かっこいい」空間、ヘアカットができる場所を作りたいな、と思い始めたんです。なので、俗にいう“美容師になりたい”というきっかけではなかったんですよね。

ー 美容師→サーフショップ店員→美容師

美容師の資格を取ってサロンに勤め始めたのですが、雰囲気や勤務サイクルに疑問を感じ始めて。土日に休めなかったり夜は遅かったりと、美容師を志す前から没頭していたサーフィンをする時間がほとんど取れなかったのがすごくストレスでした。波の上にいるとどんどん悪いものが抜かれていく気分になるんです。その後、美容師を辞めてサーフショップに転職。サーフィン漬けの日々を送れたのは良かったですが、出会う人がサーフィン好きな人だけに限られてしまって。もっといろんなフィールドの人たちに出会ってより刺激を受けながら過ごしたいなと思い返し、最初に働いていたサロンに話をして戻らせてもらったんです。

ー 独立、そしてヘアカッターに

30歳になった時に、地元でもある神奈川県・平塚に「HAIR CALIFORNIA」1号店をオープンしました。美容業界では、1時間に2人、多いときには3人のお客様を掛け持ちしながら担当する事も多くあります。そのため、アシスタント補助がどうしても必要になり、カラーやパーマなどイメージ通りに完成しない事も少なくありませんでした。本当にリラックスできる、より親身な提案を行える空間をつくりたい、そんな想いから「HAIR CALIFORNIA」(※1)をスタートさせたんです。

※1 都会的でありながらビーチ、サーフを日々身近に感じるスタイルが得意なヘアサロン。山下達郎のアルバム『Big Wave』が流れるリラックス空間。波が良ければ自転車でフラッと海に行くことも多々あり。

ー ジンとムービーを作る夢の具現化

実は、その頃温めていたある思いがあって。カリフォルニアやオーストラリア、ハワイをサーフィンとヘアカットをしながら回って、オリジナルのジン(※2)とムービーを作りたい。自分が好きな世界観を形にしたいと思ったんです。その思いを実現すべく友人2人を誘って旅に出ました。

※2 ZINE(ジン)とは個人で制作した冊子のこと。’90年代 ストリートカルチャー全盛期に、有名なスケーターが自身の新たな表現方法として写真やイラストを冊子にしたのがきっかけで広まった。
トレーラーのエアストリーム前にあるサイン「HAIR CALIFORNIA」のロゴは、軽部さんの友人であり世界で人気のサーファー/アーティストであるタイラー・ウォーレンが手掛けた。

ー やりたいことにはとにかくトライ

「思い立ったら吉日」というじゃないですか。ズバリ、その心持ち。「いまだ!」という感じで、ずっと頭に描いていた自分の夢を叶えるために1号店を信頼できるスタッフに任せて日本を後にしたんです。そこで経験したことが、今の自分にかなり影響を与えたと思います。例えば、海外の人って日本と比べてヘアサロンに行く回数が極端に少ない。だから、屋外で友達が集まるBBQパーティで僕の職業がわかると、「それなら切ってよー」と軽い感じで頼まれその場で順番に髪を切ってあげて。お酒を飲んで美味しいご飯を食べて、心地よい音楽が流れる中でのヘアカット。半年に一度、定期的にヘアカットパーティが開催されていました(笑)。

ー これからのビジョンについて

日本を拠点にしながら1年間の3ヶ月を海外で長期滞在して過ごすという10年計画のビジョンがあります。少し前の自分だったら家族を引き連れて飛び出していたかもしれないですが、今はちょっと違う。石橋を叩いた上で、ある程度の危険因子を排除してからアクションを起こしたいな、と。年を重ねたから考えが変わった、と言えるかもしれないですが、やり方を変えたという言い方が僕的にはしっくりきます。思い描く夢は今も昔も変わらず実現したいと思っています。一人で行っても面白くないので、家族みんなで叶えたいですね。

ー 思いを行動に移すためのコツ

例えば、「仕事を辞めたい」と会う度に言っている人は、言っているだけだと思うんです。もし本当にその気持ちがあるならとっくに行動しているはずだし、どこかで思いを留まらせる自分を守る理由があるのかもしれません。なので、やりたいと思うゴールをリアルに思い描くことが大切だと思います。遊んで暮らすということは簡単にできないものですが、できる限り楽しんで人生を歩んでいきたいですよね。

ー コロナフェスでのワークショップ、青空カットについて

コロナフェスでのワークショップとして、僕がアメリカを回っていた時にやっていたオープンヘアカットをやらせてもらいます。蒼い海にキンキンに冷えたコロナビールを片手に、非日常空間の中でのスペシャルなヘアカット&スタイリングを味わいに来てくださいね。

photo:Yusuke Kashiwazaki
text:Yoko Onishi
special thanks:Tsuneki Namura(A_UNN PR)

KYOSUKE KARUBE 軽部 京介

HAIR CALIFORNIA ヘアカッター

日本の美容学校を卒業後、カリフォルニアやハワイなど本場アメリカの技術を学び、外国人によく見る自然なカットやカラーが得意なヘアカッター。熱心なサーファーでもある。拠点は藤沢駅から程近い8 HOTELに隣接するトレーラー。時にビーチやフェスなどオープンヘアカットをすべく国内外を飛び回ることも。

http://www.haircal.com
www.instagram.com/karubekyosuke/

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